小石原焼「ちがいわ窯」十六代当主。2017年、57歳という若さで重要無形文化財「小石原焼」保持者(人間国宝)に認定。
コロナ禍にあって福島が挑んだ作品、伝統と革新が響き合う「中野青瓷」だ。貴重な化粧土を用いた新たな造形の試みである。未知の表現を切り拓く創作こそ、最大の歓びだと語る。
素材の美しさを最大限に引き出すため、福島は小石原の地で採れる天然の土を使い粘土づくりから取り組む。作品に相応しい理想の粘土を作り上げるには、幾度も失敗を繰り返し数年かかることもあるという。
福島が修業中に初めて目にした「日本伝統工芸展」。その場に展示された至高の作品群に衝撃を受けたという。作品づくりにおいて、優れた作品を見ること、手で確認することが大切なことだと語る。
卓越した技を要する小石原焼のろくろ。その妙技を披露いただく。また、手を加えられぬ窯の中、福島は作品ごとに最適な焼成位置を見極め、高精度な再現を実現している。
小石原焼の伝統を継承しつつ独自の美を追求する福島善三。独自の技法で新たな表現の作品を生み出している。飛び鉋、刷毛目などの技法やろくろ技術は代々“伝承”していくもの。変化し続けることが“伝統”だと語る。
優れた技術を持つ九州各地の匠たちを紹介している「匠の蔵」。11月の匠は、福岡県東峰村の福島善三さん。2017年、57歳という若さで重要無形文化財「小石原焼」保持者(人間国宝)に認定。300年以上続く小石原焼の世界で独自の美を追求し新たな伝統を作り続ける匠。ぜひご覧ください!